200637



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本を噛まずに歯がためを要求する
概 要
本児は、集中できる時間が短く、待ち時間が苦手である。そのため、同じプレイエリアにいる児童に対して他害を行ったり、注目を集めるためや要求を伝える手段として、大声を出すことがある。
 タイマーを使用することで、プレイエリアで一人で過ごす時間は増えたが、タイマーを見ながら本やカードを噛むことが多くなり、ほぼ大半の時間を噛みながら過ごすようになってしまった。また、スケジュールカードや服等、他の場面でも噛むことが多くなってきた。
 そのため、噛む物を決めて、噛みたいときに要求できることをねらってこのケースを取り上げた。

対象児のプロフィール
自閉症 1年生 男子

諸検査結果
PEP−R 1歳7ヶ月 
KIDS 1歳8ヶ月

障害の特性
視覚優位であるが、聴覚情報にも敏感である。
衝動的で、見えた物を欲しがることが多い。
大人や特定の児童への関心は強いが、表現方法が獲得できておらず、叩く・蹴る・大声を出す等になってしまう。

指導者
担任・副担任

長期目標
欲しい物があるときに、言葉や指さしで要求することができる。

短期目標
遊び時間に何かを噛みたいときには、教師に歯がためを言葉や指さしで要求することができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
プレイエリアで過ごすときに、歯がためを指さしや言葉で教師に要求することができる。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
プレイエリアで、音の鳴る絵本を見ながら本を噛んだり、ラミネートされた食べ物カードやブロックを噛むことが多い。歯がためを見せると、反対方向に身体の向きを変えてカードやブロックを噛み続ける。

般化場面
本を見るための場所で本を見るときにも、本を噛まずに歯がためを要求できる。

指導場面
2時間目と3時間目の間の休み時間、課題終了後(3時間目)の遊びの時間で、プレイエリアで過ごす時。

指導手続
1,食べ物カードをプレイエリアからなくす。
2,絵本の種類を増やし、個室で本を見る時間を作り、プ  レイエリアで過ごす時間を減らす。
3,歯がためを手が届かず、見える場所につる。
4,本やブロックを噛んだときに、指さしや声かけで歯が  ためや指さしで歯がためを要求するように促す。
5,本やブロックを噛んだときに、目の前に歯がためを提  示して、歯がためを要求するように促す。
6,本やブロックを噛んだときに、「噛むならこっち」と  取り替える。
7,噛む物を歯がためからブロックに変える。

教材教具など
歯がため
音の鳴る本、食べ物、乗り物等の本。
ブロック(噛むよう)

達成基準
歯がためを自分から要求できる日が、5日連続したら達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
・歯がためを自分から要求できる。     (3点)
・本やブロックを噛んだときに、指さしや声かけで歯が  ためを要求するように促す。       (2点)
・本やブロックを噛んだときに、目の前に歯がためを提  示して、歯がためを要求するように促す。(1点)
・本やブロックを噛んだときに、「噛むならこっち」と  取り替える。             (0点)

指導期間
H19.2〜H19.2.16・・歯がため使用
H19.2.20〜       ブロック使用

結果
 歯がためは、「いらん」と拒否を示す時が多かった。そのため、要求行動を増やすことはできなかった。
 そこで、噛む物を『ブロック』に変更して提示した。
 

考察
 歯がためを取り入れた直後には、要求行動が少しは見られた。しかし、本児が求めている感触ではなかったようで「いらん」と拒否を示し、本やブロックを噛むことが増え、要求行動が増えなかったと思われる。
 噛む物を、本児が噛むことで落ちつくことができる物に変更しようと考え、本以外の物で時々噛んでいたブロックを提示することにした。
 

参考にした先行研究や事例など
事例研究 2004

歯がための要求ができる
A:先行条件 B:行動 C:結果
休憩時間
プレイエリア
歯がため(ブロック)の提示なし
本などを噛む 噛む感触 あり。(↑)
ほんがなくなる。(↓)

A:先行条件 B:行動 C:結果
休憩時間
プレイエリア
歯がため(ブロック)の提示あり
歯がための要求あり 噛む感触 あり(↑)
噛む物を手に入れられる。(↑)


第一系列のタイトル: 歯がための要求
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1 歯がためを見える場所に置き、カードをのけ       る   Intervention2: 指導手続き2 ブロックをのける   Intervention3: 指導手続き3 歯がためをブロックに変更する。   Intervention4: 指導手続き4  
第二系列のタイトル: 本などを噛んだ回数
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1  歯がためを置き、カードをのける   Intervention2: 指導手続き2  ブロックをのける   Intervention3: 指導手続き3  歯がためをブロックに変更する。   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2007/02/03/14:12:14  No.353
記入者 mk  E-Mail

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