概 要 |
本児は,教師と遊ぶことが好きで,追いかけてもらったり,グルグル回してもらったりする激しい動きを伴う,刺激のある遊びを好む。特に,男性教師とのダイナミックな遊びに対する要求は執拗なくらい強く,かなり強行な傾向にある。 一度遊んでもらえると,何度もくり返し,同じ遊びを求めることは以前からあったものの,2学期末頃より,特定の教師を見つけると,授業中であっても関係なく走り寄って行ったりすることが目立つようになった。 そこで,写真カードを提示することによって,提示している時=お気に入りの教師と遊ぶことができる,というルールを理解し,適切な遊びの要求をすることができるようにと願って,このケースを考えた。
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諸検査結果 |
KIDS 1歳4ヶ月 S−M社会生活能力検査 1歳10ヶ月 太田のステージ 2−3
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障害の特性 |
視覚優位である。エコラリアあり。 言葉かけだけでは,活動に結びついているものは少なく,声かけをして,写真カードを提示すると大変有効である。 ルーティンになりやすく,行動パターンを崩されると怒り泣くが,立ち直りは早い。
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長期目標 |
写真カードの提示の有無を確認してから,特定の教師に遊びを要求することができる。
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短期目標 |
写真カードの提示がある時のみ,お気に入りの教師(F先生)に,遊びの要求をする(写真カードを手渡し,「おねがい」と言う)ことができる。
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指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
写真カードの提示がある時のみ,お気に入りの教師(F先生)に,遊びの要求をする(写真カードを手渡し,「おねがい」と言う)ことができる。
本児にとって,スケジュールの提示は大変有効な指導方法であり,写真カードを確認すると,次の活動に自主的に移ることができる。そこで,写真カードの提示の有無によって,遊べる時と遊べない時を区別することができるのではないか,と考えた。
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指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
・F先生の写真カードを提示している時としていない時 とでは,本児の行動がどう違うのか? ・写真カードを提示している時,どのような方法で遊び の要求をしているのか?について観察した。
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般化場面 |
写真カードの提示の有無を見て,特定の教師や教室へ御用学習に行くことができる。
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指導場面 |
2時間目と3時間目の間の休み時間及び昼休みで,かつF先生に遊んでもらえる時i
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指導手続 |
ベースラインと同じ環境で F先生がホールに出ているのを確認し,遊んでもらえる なら,写真カードを特定の場所に提示する。 (指導場面であっても,F先生が遊べない状況にある時 は,提示しない。) ・写真カードを手渡さずにいる時は,5秒待って,「カ ード」と言う。さらに,5秒待ってから,カードを指 さし「カード」と言う。 ・カードを手渡した後で,何にも言わない時には,5秒 待って,「お…」と言う。 ・何もせずに,突然強行な行動をとった時には,応じな い。 ・上記以外のことをしてきた時には,無視する。
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達成基準 |
写真カードの提示がある時のみ,F先生に遊びの要求をすることが5日続けてできたら,達成とする。 (3点が5日続いたら,達成とする。)
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ビフォー
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
遊びたい時(写真カードなし) |
F先生のところに行って,強引に遊びを要求する |
遊んでもらえる |
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アフター1
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
遊びたい時(写真カードあり) |
F先生に写真カードを手渡し,「おねがい」と遊びの要求をする |
遊んでもらえる |
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アフター2
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
遊びたい時(写真カードなし) |
教室(プレイコーナーかビデオコーナー)で遊ぶ |
教室での遊びを続ける |
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第一系列のタイトル: F先生に写真カードを手渡し,「おねがい」ということができる |
Baseline: ベースライン
Intervention1: 指導手続き1 写真カード+声かけ
Intervention2: 指導手続き2
Intervention3: 指導手続き3
Intervention4: 指導手続き4
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第二系列のタイトル: |
Baseline: ベースライン
Intervention1: 指導手続き1
Intervention2: 指導手続き2
Intervention3: 指導手続き3
Intervention4: 指導手続き4
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記入日時 2007/02/09/04:59:17
No.356
記入者 IO
E-Mail
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