2005-38



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提示された時計カードをみて、1時間単位の時間が正しく読みとれるようになる指導がよめるようになるための指導
概 要
自閉症の児童に対して、公文式の時計カードを使って、1時間単位の時間が正しく読みとれるようになる指導。

対象児のプロフィール
A
自閉症。小4男児。

諸検査結果
諸検査:太田のStage\x{2162}-2


障害の特性
・こだわりが強い。
・スケジュールやワークシステムなど視覚的構造化されていない場面では、指示に対して拒否をしたり、うろうろしたり、不適切な行動がでる。

指導者
M・M(担任)

長期目標
教室の時計を見て、「○時」「○時30分」という大まかな時間を目安に、課題の開始や終了ができる。

短期目標
時計カードを見て、1時間単位や30分単位の大まかな時刻を正しく答えることができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
提示された時計カードを見て、1時間単位の時刻を正しく答えることができる。



設定理由:スケジュールやワークシステムが提示されていると、落ち着いて行動することができる。時計を見て大まかな時間が分かることで、活動の開始や終了の目安ができ見通しをもった生活が送れると考えられる。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
現在まで、時間に関する指導は行われていない。数字やシールに興味がある。ベースライン記録参照。

般化場面
\x{2460}時計の模型を使って、1時間単位の時刻を正しく答えることができる。
\x{2461}教室の時計を見て、1時間単位の時刻を正しく答えることができる。
\x{2462}家庭の時計を見て、1時間単位の時刻を正しく答えることができる。

指導場面
・「ことば・かず」の時間(1対1の対面学習場面)

指導手続
ステップ1:使用する時計カード(10枚)すべてに、短針がさす数字の横に、直径5ミリの丸のシールをはっておく。
ステップ2:ステップ1で使用した10枚の時計カードのうち、5枚に短針のさす数字の横に丸いシールをはり、残り5枚には丸のシールをはらないようにする。
ステップ3:10枚の時計カードすべて、シールのプロンプトをなくす。

1.対面で座る。
2.カードを提示し、「何時ですか?」と聞く。
3.正しく答えることができたら、「正解。○時です」言う。
4.間違ったときは、短針の示す数字を指さす。

※ステップ2においては、プロンプトの丸いシールのあるカードを先に提示する。

教材教具など
公文式の時計カード(10枚):短針が赤、長針が青
直径5ミリの丸のシール(赤色)
  ※画像あり

達成基準
達成基準:全問正答が、2日連続したとき。
中止基準:5日指導しても、正答率が上がらないとき。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
10問中何問正答できたか。

指導期間
ベースライン:9月5日・6日
指導来期間:9月7日〜9月30日

結果
指導期間は延長したが、達成することができた。
ステップ1:プロンプトとしての、シールを貼るだけで、注目するべき数字がわかり、正答を導くことができた。
ステップ2:プロンプトのシールなしのカードでは、4回目の指導を境に急に安定してきた。
ステップ3:当初の計画から変更し、カード枚数を5枚に減らし、使うカードも毎回変えて指導した。開始から連続して全問正答することができた。


考察
時計に興味があるので、意欲的に取り組むことができた。プロンプトとして、短針のさす数字の横に丸いシールを貼る前は、何に注目すればよいかわからない様子だったが、丸いシールをはるという視覚的なプロンプトにより、短針のさす数字に注目して、「○時」と答えるということができた。シールのプロンプトが有効だったと思われる。ただ、使用したカードが、短針と長針の色が違っているという、特別な形態であるという先行条件も大きく結果に関わっている考えられる。他の条件のカードでも正しく読み取れるか、また、時計の模型、実際のさまざまな時計でも正しく読み取れるかという般化についても進めていく必要がある。さらに、実際の生活に生かされる指導を進めていきたい。



第一系列のタイトル: 正答率
Baseline: ベースライン   step1: ステップ1   step2: ステップ2   step3: ステップ3  
第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2006/02/19/06:57:07  No.170
記入者 MK  E-Mail

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