概 要 |
高等部3年男子生徒Hは、下記「障害の特性」にあるように様々な問題行動を起こしている。 中でも「唾吐き」は、現在もいろいろな人に行い、半年後に迫った卒業、社会への移行に際して、良好な人間関係形成上、看過出来ない問題である。 この「唾吐き」は、高1で減ったとのことだが、少なくとも昨年度(高2)より再び増えた(元に戻った)と考えられる。 今年度の様子を観察すると、いわゆる「注目」「要求」「逃避」などの、またそれらに加え「快感刺激」としての機能も持っていると考えられる。 しかし、それに対し私自身、そして高3教員学年団としても適切な対応ができているとは言いがたい。それは、「適切な対応」がわからないからである。 下記休業中に行った家庭訪問でも保護者(祖父母)からは、家庭でも行っている「「唾吐き」を(中心とした問題行動)を止められる」ことを強くお願いされた。担任のK先生も、この問題行動の停止を彼への教育方針の第一に挙げている。
|
対象児のプロフィール |
*生徒名H *高等部3年男子 *知的障害、自閉症 *日常生活は民間福祉施設(中1の3学期から今日に至る)で暮らしていて、そこからスクールバスで毎日登校してくる。 *2週間に1回の割合で土日に帰宅する。 *家族は、父(42歳)・妹(小6)・祖父(73歳)・祖母(70歳)の4人。母は離婚により家を去られた。父は仕事の都合でほとんど家にいない。
*K養護学校(知的障害)小学部卒業後、同中学部に進学したものの、上記施設に入所するため中1の3学期に(施設の隣にある)M養護学校(知的障害)M分校に転校。高等部進学に伴って隣町に在るM養護学校本校に通学。現在に至る。 *毎食後、精神安定剤服用。
|
諸検査結果 |
*遠城寺式でIQ不明との報告(中1の3学期、M分校転校時) *日常生活上の簡単な指示は、口頭のみで理解できる。 *日常生活の基本的スキル(排泄、食事、衣服の着脱など)は自立している。
|
障害の特性 |
*知的障害(最重度判定) *話し言葉がない(「あ〜」のみ) *自閉症 *こだわりが強い(常にタオルを下着内の腹部のところに入れている、ソースや洗剤などポンプ式?の形の容器のものを飲んだり台所やトイレに流してしまう、食事の際は一品づつ食べてよいかを毎回尋ねてくる、など) *自傷行為(自分の頭を握りこぶしや机・壁で叩き続ける、手の甲を噛む、大声で叫び続ける、など) *他傷行為(唾吐き、他人の顔を殴る、鼻糞をねじりつける、など)
*高等部入学時は、「自分の服破り」や「(上着やタオルを使っての)頭部覆い」も頻繁にあったそうだが、それらは今年度は全く見られない。
|
指導者 |
IY(該当対象児担当、該当生徒のクラスの副担任:男性:鳴門教育大学公開講座中級コース参加者) KS(クラス担任:女性) NK(同じクラスの教員:女性) KS(同じクラスの教員:男性) 他高等部3年教員
|
長期目標 |
問題行動を減らすことができる。 (イコール:適切なコミュニケーション方法の獲得か?)
|
指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
唾吐きを減らすことができる。 (理由は、上記「概要」を参照。)
|
|
第一系列のタイトル: |
Baseline,Intervention1: ベースライン、指導手続き(1)
|
第二系列のタイトル: |
Baseline: ベースライン
Intervention1: 指導手続き1
Intervention2: 指導手続き2
Intervention3: 指導手続き3
Intervention4: 指導手続き4
|
|
記入日時 2005/10/06/10:47:09
No.49
記入者 IK
E-Mail
|