2005-35



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小学校高学年の知的障害児が体操服の前後を間違わずに一人で着ることができるようにする。
概 要
Tシャツなど被って着る服の前後や表裏を意識することが難しい知的障害児が一人で正しく体操服を着ることができるようにする。

対象児のプロフィール
OS 小五女児 巨脳症による知的障害

諸検査結果
田中ビネー知能検査\x{2164} MA2歳6ヶ月 IQ24
太田のStage\x{2162}ー1

障害の特性
こだわり(順番や向き)
何もない無地のところに,何かついていると小さいものでもすごく気になる。

指導者
AO

長期目標
体操服やTシャツを一人で正しく着ることができる。

短期目標
体操服の裏表と前後を間違えずに着ることができる

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
体操服を前後間違えずに着ることができる。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
・Tシャツなど被って着る服は,机上に正しく(後ろ側が上になるように)置いておくと,一人で着ることができる。
・前後を自分で確かめて着ることはできない。
・裏になっている服を返すことはできない。裏になっていることも分からない。

般化場面
Tシャツを着る場面

指導場面
体操服を着る場面

指導手続
[手続き1]
1「体操服をもってきなさい」と声をかける。
2体操服をもってきたら,着替えコーナーへ誘導する。
3袋から体操服を出させる。(言語プロンプト)
4体操服の後ろの裾にかかれた印を指さして,注目させ る。
5身体的プロンプトで印の両側を持たせる。
6正しく着ることができたらほめる。

○1〜5のプロンプトは徐々にフェイドアウトする。
○半袖体操服 キティーちゃんの印

[手続き2]
○長袖 うさちゃんの印に変更(手続き1の印と同じ色で大きさも同じくらい)

[手続き3]
○今大好きなプーさんの印に変更(手続き2の印の倍くらいの大きさ)

[手続き4]
○他の児童を含め,朝の活動の順序を決め,一つ終わるごとにその絵カードをはずしていくようにした。着替えもその一つとして取り組んだ。
○着替えコーナーに児童机を2つ置き,その上におくようにした。

教材教具など
着替えコーナーの設置,印を付けた体操服 

達成基準
9点が3日連続した時,達成と見なす。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面:体操服に着替える場面
○(1)印を見つける。(2)印の両側を持つ。(3)印の両側を持って被るの3項目で記録を取る。
・プロンプトなし・・・・・・・・・3点
・言語プロンプトまたは指さし・・・2点
・身体的プロンプト・・・・・・・・1点

○3項目の合計点を出す。
般化場面:Tシャツに着替える場面
○指導場面と同じ方法で記録をとる。



指導期間
9月1日〜継続中

結果
(1)プロンプトなしで印を見つけることができるようになった。
(2)印を持つ段階では、手の位置にプロンプトが必要なときがある。児童机をおくようになってからは、正しく持てることが増えてきた。
(3)手続き4の結果、おしゃべりがなくなり、着替えに集中できるようになった。

考察
・本人が興味のある印を付けることによって、着替えに意欲的に取り組ませることができた。
・標的行動が達成されたと思われた後も、印が変わったときや長袖になったときには、対象児にとって条件が大きく異なったため、身体的プロンプトが必要であった。
・対象児がつまずいている段階に焦点を当て、本人がわかる方法で、具体的に正しい行動を教えることにより、達成率が上がった。
・集中させたいことがあるときは、周りの環境に配慮する必要があることがわかった。

体操服の印を見つける
A:先行条件 B:行動 C:結果
体操服を着ようとする 印を見つけることができる 体操服を被ることができる(↑)
教師にほめられる(↑)

印の両側を持つ
A:先行条件 B:行動 C:結果
印を見つける+「置いて」 印の両側を持つことができる 体操服を正しく着ることができる(↑)
教師にほめてもらえる(↑)


第一系列のタイトル: 
Intervention1: 指導手続き(1)   Intervention2: 指導手続き(2)   Intervention3: 指導手続き(3)   Intervention4: 指導手続き(4)  
第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2005/09/30/00:05:26  No.36
記入者 AO  E-Mail

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