対象児のプロフィール |
小学校 障害児学級在籍の児童
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障害の特性 |
コミュニケーション(自分の思いを伝えることが難しい)
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指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
標的行動:始業式や終業式の各プログラムが終わる毎に、スケジュールノートにシールを貼る。
これを選んだ理由:対象児童は、学校生活において活動の見通しがもてなかったり、内容が理解できなかったりすると混乱することが多い。特に、全校児童が体育館に集まり行われる行事では、まわりの友達を叩いたり、押したりする問題行動がみられる。そこで、あらかじめプログラムで、何があるか、いつ終わるかを知らせることにより、落ち着いて参加できるようになればと考えた。また、終わったプログラムを自分で確認してシールを貼るという自立的な行動にもつなげていきたいと考えた。
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指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
・儀式的行事の場面では、時間が長くなると声が出たり、近くの友達を叩いたり押したりすることが頻繁にみられる。 ・言葉で制止しようとすると、走り出したりすることもある。 ・プログラムの確認のためにシールを貼る行動は、未習得である。 ・1日のスケジュール表を確認して終了した活動を線で消すことはできている。
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指導手続 |
(1)スケジュールを書いたノートを用意する。 (2)プログラムが終わるごとにシールを貼らせる。 (言語プロンプトと指差しプロンプト) (3)プロンプトは徐々ににフェイドアウトする。
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記録の取り方(般化場面と指導場面) |
(1)まわりの児童を叩いたかどうか。 (2)各項目ごとにシールが指示あり、指示なしで貼れたかどうかチエックする。
・各項目での反応を点数で表し合計点を出す。
◎3点 プロンプトなしでシールが貼れた。 ○2点 プロンプトありでシールが貼れた。 △1点 貼れない。
・全項目の合計点÷(3点×項目数)×100 で正反応率を出す。
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結果 |
(1)終業式と朝会で、友達を叩く行動はみられなかった。 (2)終業式では、各項目でプロンプトが必要だった。(正反応率67%) (3)2月の朝会では、表彰の項目にプロンプトが必要だった。そのほかの項目では、プロンプトなしでシールを貼ることができた。(正反応率93%)
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考察 |
・緊急的な「静かに参加する」という目標は達成されたが、「ただ静かにそこにいること」から「本当の意味のある参加のしかた」について考えていく必要がある。次のステップとして、本児が式そのものに注目でき、より主体的に参加できるような手だてを考えていきたい。
・プロンプトがなくても、自分でシールを貼れるようになってきたが、「終わりの意味」のシールであったはずが、本児にとっては「ご褒美シール」となっていた可能性もある。教材や指導手続きの見直しを行いたい。
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
議事の進行を見て + スケジュールのプログラムを見て |
終わった項目にシールを貼る |
どこまで終わったかわかる(↑)
好きなシールが貼れる(↑) |
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第一系列のタイトル: 正反応率 |
Intervention1: 終業式
Generalization: 朝会
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第二系列のタイトル: |
Baseline: ベースライン
Intervention1: 指導手続き1
Intervention2: 指導手続き2
Intervention3: 指導手続き3
Intervention4: 指導手続き4
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記入日時 2005/12/20/10:23:12
No.82
記入者 FY
E-Mail
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