200815



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事例担当者のイニシャル[HELP]A.U.
事例研究のタイトル[HELP]自閉症の生徒に適切な拒否の仕方を教える
事例の概要[HELP]特定の人(学校では友だちA、家庭では妹)に指示されると、自分が嫌なことでも従ってしまう。パニックになる。指示されたことを繰り返し言ったり、物を放り投げたり、自分の身体をわざとぶつけてみたりする。復活まで時間がかかる。
対象児のプロフィール[HELP]中学部1年生、男子。自閉症
指導者の役割と人数[HELP]担任3名(KM,AU,KO)
標的行動(増やしたい行動)[HELP]特定の友だちにしたくないことを指示されたとき、担任のところに逃げてくることができる。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]特定の友だちにしたくないことを指示されたとき、自分の身体を叩いたり「Aくんにやれって言われた」と言ったりしてパニックが起こる。
標的行動を取り上げる意義[HELP]家庭でも、妹に言われたことは絶対に従わないといけないと思っている。自分はしたくないのに従ってしまい混乱してしまうことがある。
事例に関する情報[HELP]特定の友だちAだけにみられる。Aは小学校のときから一緒に過ごしており、その時から同じような関係が続いている。Aは対象児がどんなときにパニックになるかわかっているようであり、わざと混乱させるようなことを言っているようにも見える。Aが機嫌が悪い時は、同じ空間にいるだけで対象児が混乱することもあった。他の友だちとの関係には、ほとんど見られない。トラブルは頻繁ではないが、Aと一緒に授業を受ける体育の時間、授業前の休み時間に起こりやすい。教員は、Aが近寄っていく様子を見かけるたびに声をかけたり、二人を離すようにしているがあまり効果は見られない。「やめて」と言い返したこともあるが、やめてくれないので結果としてパニックになってしまうことがあった。
小学校時代の様子を引き継いでいたので、クラスや授業のグループ分けではできるだけ別々になるよう配慮している。
家庭では、妹に言われたことに従うことが多い。
問題の推定原因[HELP]1.言われたとおりにしないといけないと思っている。
2.どのように言い返したらいいのかわからない。
3.誰に言ったらいいのかわからない。
4.言われたとおりにしないと、何かされると思っている。(そのような経験があったのかもしれない)
5.従っておかないと怖い。
想定される解決策[HELP]2.「やめて」と言う。
3.担任のところへいく。
選択した原因と解決策[HELP]原因
3.誰に言ったらいいのかわからない。
4.言われたとおりにしないと、何かされると思っている。(そのような経験があったのかもしれない)
5.従っておかないと怖い。

解決策
・担任のところに行く。同じ空間にいないことでパニックが起こらなくてすむと考えられる。
般化を狙う場面[HELP]家庭
指導場面[HELP]休み時間、体育の授業
指導手続き[HELP]事前に場面を設定し、練習できるようにする。継続して繰り返し練習できるようにする。
実際の場面では、教員が教室に帰るなど場所を移動させるよう支援する。うまく回避できたときは、ほめて賞賛する。言われたことに従わなくても大丈夫であるという経験を積み重ねられるようにする。

具体的な指導手続きは検討中。
利用可能な好子[HELP]「すごいね」「正解」などの言語賞賛、花まる、体育館で遊ぶ、好きな音楽をきくことができる

記入日時 2008/12/22/12:05:24

事例担当者のイニシャル[HELP]A.U.
事例研究のタイトル[HELP]硬貨を使って、提示(音声や数字での表示)された金額をつくることができるための支援
対象児のプロフィール[HELP]中学部1年 男子 自閉症
太田のStage 3ー2
SM社会生活能力検査 社会生活年齢 6歳5ヶ月
・周囲のことが気になり、目に入ったことを発したり友だちの様子を指摘したりすることが多い。
・できたことを褒めてもらうことが大きな自信につながることが多い。
・初めてのことや場面は 苦手であり、何度か経験することで積極的に活動できる。
指導者の役割と人数[HELP]指導者1名
長期目標[HELP]レジで提示されたちょうどの金額もしくは,それより大きな金額を出すことができる。
短期目標[HELP]レジで提示されたちょうどの金額を出すことができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]金額表示を見て、ちょうどの金額を硬貨で払うことができる。
標的行動を取り上げる意義[HELP]金種の理解ができ、金額に応じて組み合わせることは机上課題ではできている場合が多い。しかし、買い物等実践の場面では、できるだけ早く支払いを済まそうとする様子が見られる。何でもお札で支払ったり、硬貨を適切に選択できず混乱してしまったりしてしまう。机上課題でできていることを生活に生かすことができるよう望んでいる。
事例に関する情報[HELP]週1回の買い物学習において、レジでの支払いに支援が必要である。どんな場合でも1000円札を出してしまう。「○○円です。」は聞き取れているが、金額表示には注目できていない。また、支払いに時間がかかると焦りが見られ、支払いを早く済まそうという様子が見られる。金種の弁別はできており、10円が10枚で100円になるなどの繰り上がりができるようになってきている。数学の授業でお金の学習をはじめてからは、硬貨の組み合わせもできるようになり硬貨が全て揃って居る場合はちょうどの金額を払うことが自力でできている。

ベースライン〜レジでの支払いの様子(5回実施の結果)〜
1.「○○円です。」を聞く。…100%
2.表示を見る。…60%
3.必要なお金を選択する。…40%
4.トレイにお金を入れる。orお店の人にお金を手渡す。…100%
5.レシート、お釣りを受け取る。…100%

このほか、本生徒に関する買い物学習の様子(4回実施の結果)
[バスの利用]
1.バスの中で小さな声で話す。…25%
2.降りるとき「お世話になりました。(ありがとうございました)」という。…50%
3.両替が必要かどうかわかる。…50%
[買い物]
1.探している商品が見あたらないとき、教員に尋ねることができる。…25%
2.お釣り・レシートを受け取ったときに「ありがとうございました」という。…0%
問題の推定原因[HELP]1.支払う金額がわからない。
2.尋ね方がわからない。
3.焦ってしまって上手く支払うことができない。
4.どこを見て良いのかわからない。
想定される解決策[HELP]1.金額表示を見る。
2.「いくらですか?」と尋ねる。
3.取り出しやすい財布を使う。硬貨がわかりやすい財布を使う。ゆっくりから練習する。
4.金額表示の場所がわかる。
選択した原因と解決策[HELP]原因
3.焦ってしまって上手く支払うことができない。
4.どこを見て良いのかわからない。

解決策
3.取り出しやすい財布を使う。硬貨を選びやすい財布を使う。お金を払う練習をする。
4.金額表示の場所を知る。
般化を狙う場面[HELP]家庭での買い物時
指導場面[HELP]買い物学習場面(週に1回設定)
指導手続き[HELP]【買い物に出かける前】
1.買い物メモ、財布に入っているお金を一緒に確認する。
2.ちょうどの金額を払うことができるよう、5・50・500円各1枚、1・10・100円各4枚を用意し両替しておく。

【レジの支払い場面】
1.レジに並んだところで、少し後ろ(1メートル  以内)で立っておく。
2.金額を提示されてから、40秒までは後ろで 見守る。
3.40秒経過したところで、必要な硬貨や枚数を言葉で伝える。「100円を3枚」など。
4.一人で支払いができたときは賞賛する。
利用可能な好子[HELP]「すごいね」「正解」などの言語賞賛、花まる、体育館で遊ぶ、好きな音楽をきくことができる
記録の取り方[HELP]一人で支払うことができた・・・1点
プロンプトありでできた・・・0点
指導期間と達成基準[HELP]指導期間:11月15日〜3月18日
達成基準:「一人で支払うことができた」が5回続いたら達成とする。
結果[HELP]1.達成できた。
2.プロンプトが必要だった時は、「879円」など金額が大きく、取り出す枚数も多かったため、時間がかかっていた。
3.次のお客さんが来てレジの表示が変わったことで、金額がわからなくなりプロンプトが必要なこともあった。
考察[HELP]1.支払いの際に不安があり、近くに誰かいないか探す様子が見られたため、決まった位置に教員がいるということがA児にとって有効だったと考えられる。
2.場面の般化だけを設定していたが、支援者との距離を伸ばしていくことも般化場面として設定していく必要性を感じている。
3.「一人でできたんよ。」「100円を5枚、出したんよ。」などとA児から報告があり、一人で支払った経験が、A児にとって大きな自信につながったように感じている。
4.言語賞賛やポイント制がA児にとって有効であるが、今回は、A児に対して活動の評価を十分にフィードバックできていなかった。今後はポイント表などを作成し、A児も活動の経過や達成状況を確認できるようにしていきたい。


記入日時 2008/10/16/16:52:54

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