200824



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事例担当者のイニシャル[HELP]K.H
事例研究のタイトル[HELP]小学部低学年の知的障害児に、洗濯ばさみを外すことを教える
事例の概要[HELP]本児は指先を使った作業が苦手である。昨年から、指先を使った課題(ペグさし、型はめなど)を行っており、つまむ、ひっぱるといった動作ができるようになってきた。指先を使った作業をより生活に近い形で取り入れるために、洗濯ばさみを用いることにした。
対象児のプロフィール[HELP]小2男児 ダウン症
指導者の役割と人数[HELP]担任1名
長期目標[HELP]洗濯ばさみをはずすことができる。
短期目標[HELP]プラスチックのかごにつけた洗濯ばさみや、段ボールを挟んだ洗濯ばさみをはずすことができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]洗濯ばさみをはずす。
標的行動を取り上げる意義[HELP]洗濯ばさみを扱うことができるようになれば、指先に力を入れて作業をすることも学ぶことができ、簡単なお手伝いとして洗濯物の取り入れなどを行うことができると思い、この実践に取り組んだ。
事例に関する情報[HELP]簡単な言語指示(起立、おわり、ちょうだい等)が理解でき、指示に従うことができる。
テンションがあがったとき、手持ち無沙汰なとき、活動が嫌なとき、目の前にあるものを投げることがある。
目の前の課題を注視することは苦手だが、動きを一連の流れとして覚え、行うことができる。
前期の指導でも行っていたが、洗濯ばさみを持つことができない状態(片方だけを握る)だった。繰り返し教員が手を添えて一緒に行うことで、洗濯ばさみを引っぱろうとする様子が見られるようになった。
般化を狙う場面[HELP]学校でのお手伝い活動
指導場面[HELP]自立活動(対面学習)
指導手続き[HELP](指導手続き1)
教材を本児の前に提示する。
1、右手で洗濯ばさみを持つ。
2、指先でつまむ。
3、つまんだまま上方向に引き抜く。
1〜3の動きができるよう、教員は身体的介助(手を添えて一緒に行う)、指さし、声かけなどの支援を行う。できるようになってきたら支援をなくしていき、教員の声かけなく洗濯ばさみが外せるようにする。
一人でできた場合は、「すごいね。」と誉めて拍手し、ハイタッチを行う。教員と一緒に行う場も「そうそう。」と誉め、本児が達成感を持って課題に取り組むことができるよう配慮する。
洗濯ばさみが外せたら、ハイタッチを行う。

(指導手続き2)
教材を本児の前に提示する。
1、左手で段ボールを持つ。
2、右手で洗濯ばさみを持つ。
3、洗濯ばさみを指先でつまむ。
4、つまんだまま段ボールを外す。
5、段ボールをカゴに入れる。
支援の仕方等は(指導手続き1)と同様。
利用可能な好子[HELP]「すごいね。」等の誉め言葉、拍手、ハイタッチ
教材教具など[HELP](指導手続き1)
ふちにひっかかりがあるカゴ、洗濯ばさみ

(指導手続き2)
縦にしたカゴに洗濯ばさみをひもでつるしたもの(段ボールを挟む)
記録の取り方[HELP](指導手続き1)
1、右手で洗濯ばさみを持つ。
2、指先でつまむ。
3、つまんだまま上方向に引き抜く。
(指導手続き2)
1、左手で段ボールを持つ。
2、右手で洗濯ばさみを持つ。
3、洗濯ばさみを指先でつまむ。
4、つまんだまま段ボールを外す。
5、段ボールをカゴに入れる。

(指導手続き1)では1〜3、(指導手続き2)では1〜5の行動を得点化する。
身体的介助あり・・・3点
指さし+声かけ・・・2点
声かけ(「ここ。」「外す。」など)のみ・・・1点
声かけなし・・・0点
指導期間と達成基準[HELP]<指導期間>
9月3日(水)〜11月21日(金)

<達成基準>
教員の支援なく洗濯ばさみを外すこと(0点)が3日連続でできた場合を達成とし、次の指導に移ることとする。
結果[HELP]指導手続き1では、「指先でつまむ」ことと「つまんだまま上方向に引き抜く」という動きがなかなかできなかった。しかし、「指先でつまむ」ことができると、次の「つまんだまま上方向に引き抜く」はできるようになり、指導開始から14日目に目標を達成した。
指導手続き2では、「左手で段ボールを持つ」ことと「右手で洗濯ばさみを持つ」という動きに身体的介助が必要であったが、指導開始9日目から「左手で段ボールを持つ」ことができるようになった。それから2回ほど「右手で洗濯ばさみを持つ」ことが声かけのみででき、指導開始15日目には全ての過程が一人でできた。指導開始17日目に目標を達成した。
考察[HELP]この指導手続きで実施する前は、洗濯ばさみを持つことが難しく(片方だけを握る、全てを握るなど)その部分が課題であった。教員が手を添えて一緒に持って外すことを繰り返すことで、洗濯ばさみを持つ→外すという動作を覚え、課題を提示すると自分で洗濯ばさみを外そうとする姿が見られるようになった。
指導手続き2では、指導手続き1と形態が異なり、ぶら下がっている洗濯ばさみを持つことと、洗濯ばさみを外すことの2つの動作が求められるため、その過程での支援が必要であった。動作を繰り返すことで、動きを少しずつ覚えることができたと思われる。一番に左手で段ボールを持つことが難しかったが、右手で段ボールを持ち、左手に持ち替えるなど自ら工夫をし、左手で段ボール、右手で洗濯ばさみを持つことができるようになった。洗濯ばさみを指導手続き1のように持つことがなかなかできず、洗濯ばさみを外せないことが続いたが、繰り返し指導を行うことで、やや握るような形ではあるが、洗濯ばさみを持ち、外すことができるようになった。
本児はすることが分かり、動きを一連の流れとして覚えることができると、一人でできる活動が増えると思われる。正しい方法を教員と一緒に行い、学習することが有効だと感じた。


指導手続き1

指導手続き2

データとグラフ:第一系列のタイトル: 指導手続き1
Intervention1: 指導手続き1  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 指導手続き2
Intervention2: 指導手続き2  
記入日時 2008/10/09/14:51:35

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